病害虫予防/病害虫に負けない元気な苗を作る
種まきをする前に
種から育てることが向いているもの、そうでないものがあります。
ルッコラのように生長がはやく、収穫回数(年間を通して種がまける)が多いような1・2年草や、発芽が用意で手間のかからないもの、苗を多く必要とするもの、挿し木や株分けの老朽化によって、株を更新する(チャイブなど)際などは、種から育てることをおすすめします。
逆に発芽しにくいものや、生長が遅いものや手間のかかるものは向きません。(もちろん、種から育ててはいけないということではありません)
種をまく
種まきの方法にはいくつかありますが、詳しい蒔き方については、ここでは触れません。各植物に合った方法で、種をまきます。
種まきの際に注意することですが、まず適切な時期であるか。発芽しにくいものがあるのは事実ですが、発芽適温を保つことができなかったり、途中で種を乾燥させてしまうと、発芽できません。
また、発芽できても、秋まきのように寒くなる前にある程度、しっかりした苗にしなくてはならないので、蒔き時期に注意します。
種まき後の管理・間引き
間引きの目的は、良い芽を残すことで、しっかりした苗をつくろうというものです。
私は、ついもったいない…という意識をもってしまうのですが、間引かずに育てると、生長するにつれて通気性が悪くなったり(通気性が悪いと病害虫が発生しやすくなる)、徒長してしまったりと、どれもしっかりとした苗にならないので、かえってもったいないことになってしまいます。
間引き菜も(ルッコラやバジルなど)利用できるものがあります。もったいないなぁ…と思ったら、スープやサラダに混ぜて食べてしまうのも手です。
間引き方
間引きは、生長するまでの間に2〜3回に分けて行います。時期は、双葉が開いた頃に葉が重なっているもの、奇形の葉や、弱々しいものを選んでピンセットで間引きます。
一回目の間引き後、2週間ほどしてから2回目の間引きを行います。2回目、3回目の間引きは間隔をあけることも目的としていますから、直まきした場合には、それぞれの植物に適した株間になるようにします。
また、種まきの時(ハガキなどを二つ折りにして蒔くなど)、種が重なり合わないように蒔くのは、間引くときに残したい芽まで抜けてしまったりしないようにするためでもあります。
それでもなかなか上手くいかなかったりもしますよね。ある本で、種をピンセットで抜くのではなく、早い段階で、地際部分をハサミで切る方法も紹介されていました。残したい芽に影響がでそうなときは、ハサミで間引くのもよいかと思います。
移植でより丈夫な苗にする
定植前にポットに移植することで、根が良く伸び、毛細根がしっかりとしたものになります。根がしっかりしていれば、根から充分な養分などを吸収できますから、生長も良く、元気な苗をつくることができることになります。
簡単ですが、移植の方法を紹介しておきます。
まず、移植に使う用土は、通常(定植時と同様の)土を用います。ポットに用土を入れたら、あらかじめ割り箸などで穴をあけておき、スプーンや割り箸で根を傷めないように掘り起こした苗を1つずつ植え付けていきます。
この時、根本をかるく押さえておくと安定します。作業後はたっぷりと水をあたえ、3日ほど直射日光のあたらない場所(半日陰。全く当たらないのは逆によくありません)で管理します。その後は、充分に日を当てて育てます。
この方法は、購入した苗にも使えます。購入時のポットよりもひとまわりほど大きなポットに移植し、再び充分に根をはってから定植します。
すぐに植え付ける予定が無いとき(植え付ける場所が決まっていないとき)にも、一度ひとまわり大きなものに植え付けておくと、株が弱らずにすみます。この時利用するぽっとの大きさは、あくまでも「ひとまわり大きい」ポットであること。
大きすぎるものでは逆効果です。
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