病害虫予防/植物を元気に育てる土づくり

植物が元気に育つには、根が丈夫であることが重要となり、その根を丈夫にするのが「良い土」ということになります。良い根を作るには、根が空気を取り込みやすい、水はけと通気性の良い土が必要です。

しっかりとした根をはらせることができれば、十分に養分を吸い上げることができ、植物が元気に育ち、病害虫予防となります。

良い土の条件

  • 水はけ(排水性)がよいこと。
  • 水もち(保水性)がよいこと。
  • 空気の通り(通気性)がよいこと。
  • 団粒構造の土であること。
  • 土の中に病害菌や病害虫の卵がないこと。

水はけと水もちがよいことは、逆のことのように思えますが、水もちの良い土とは、植物に必要な水分を適度に保つことの出来る土のことです。必要以上に与えられた水を、逃がしてやる為に、水はけの良い土であることも重要です。

次に、団粒構造の土ですが、これは土の粒と粒の間に隙間のある土の事を言います。団粒構造の土は、植物に必要な新鮮な水と空気を、よく通すことができます。

逆に、悪い土(植物が元気に生長出来ない土)は、単粒構造(粒同士の隙間が狭い)の重い土です。これは、水や空気が通りにくいばかりでなく、根も伸びにくくなります。

場合によっては、水はけが悪いことで根腐れをおこしてしまいます。

かといって、軽い土では、茎や根がしっかりと育たない為に、良い土とは言えない為、上の「良い土の条件」を満たす必要があります。

コンテナ用の土づくり配合例

コンテナの用土(万能な配合)/赤玉土:腐葉土:パーライト=6:3:1

利用する腐葉土は、あらかじめ天日干ししておきます。酸度(PH)を中和させる為に苦土石灰(使用の際に適量を調べ、入れすぎに注意します)を加え、まんべんなく混ぜ合わせておきます。

土づくりは、苗を植え付ける1週間前迄には済ませておきます。

果樹(ベリー類)については、「育て方」の中に土の配合(割合)が書いてあります。ハーブについては、こちらの割合を参考にしてください。

この割合を、自分の栽培(水やりなど)にあわせて、変えてみたりしながら、自分にあった配合を見つけてください。「赤玉土(4):腐葉土(3):バーミキュライト(2):鹿沼土(1)」など。

庭植え用の土づくり配合例

植え付ける前に、土に腐葉土(など、植え付ける植物にあうように、土壌を改良しておく)をすきこんでおきます。

腐葉土の量は、掘りあげた土の1〜3割程度、または1平方メートル辺り洗面器1〜2杯程度が目安となります。

次に、土の表面がうっすらと白くなる程度石灰をまき、よく耕しておきます。石灰は、酸度を調整するものですが、よく耕しておかないと、雨が降った後空気に触れることで、固まってしまうので、よく土と混ぜ合わせる必要があります。

1〜2週間そのままにしてから苗を植え付けます。

掘りあげる深さですが、ハーブの場合、地上部を利用するものは30p以上、地下部を利用するものは40〜60p以上掘る必要があります。

また、苦土石灰と肥料を一緒に土に混ぜ合わせると、化学反応をおこし、土が中和されない為、数日(1週間程度)おいて混ぜ合わせるようにします。

天地返し

2年目以降は、毎年寒い時期に天地返し(土を掘り返し、下の土が上にくるようにする作業)をします。天地返し後、2週間以上土を寒さにさらしておきます。

土を再利用する

まず、古い土の問題点について。

古い土には、それまで植えられていた植物の根や、雑草、病原菌、微生物(良い働きをする微生物もあります)や、害虫の卵などが残っている可能性が考えられます。

病害虫を徹底的に予防しよう…と、例え思わなかったとしても、古い土をそのまま使うのは止めた方が賢明です。

古い土はゴミとして出すこともできますが、地域によって分別の仕方が違うそうですから、注意してください。

さて、再利用して使いたい方のために、再利用の方法を紹介します。

まず、不要なものを取り除きます。シートなどに土を広げ、大きな根や雑草・石などを取り除きます。その後、園芸用の「ふるい」にかけ、粒の大きな土と小さな土に分けながら、再び根など不要なものを取り除きます。(土が乾燥している方が作業しやすい)

次に、日光で土を消毒します。大きめの黒いビニール袋に、ふるいにかけた土を入れて、3分の1程度水を入れて湿らせたら、コンクリート(板)の上で、一週間ほど日光に当てます。ビニール袋から土を出したら乾燥させる。

日光消毒した土は、堆肥や腐葉土などを混ぜ、それぞれの植物にあわせ、オリジナルの培養土として使います。

各土の特徴

種類
赤玉土 赤褐色の大中小、粒状の土。通気性、保湿性に富み、園芸用に広く使われる。主に大粒はゴロ土用。小・中粒は植えつけ用腐葉土を混ぜて使われる。
黒土 保水性に富む。水はけが良くないので、砂とあわせて使われる。
水はけを良くする目的で使う。
腐葉土 広葉樹の落ち葉を集めて腐らせ、微生物によって分解。土を柔らかくし、栄養を与え、保水性に富む。
ピートモス ミズゴケをまとめて腐らせ、発酵させたもの。水持ちがよく、肥料を長くとどめるといった特徴もある。種蒔き用や培養土の混合に。
バーミキュライト 軽く、保水性に富み、通気性が良いので、種蒔きや挿し木の時に単独でも使用。土壌改良剤。
鹿沼土 保水性・通気性・排水性に富む。赤玉土や腐葉土と混合してもちいられたりします。鹿沼土は乾くと白っぽくなることから、水やりの目安にもなる。

補足/酸度

ブルーベリーは好酸性植物のため、酸度未調整のピートモスで土を酸性化する必要があります。その為土づくりの際に、石灰をまく必要はありません。(ピートモスは酸度が強いので好酸性植物以外は酸度調整済みのものを選ぶ)

逆にハーブは弱アルカリ性を好むものが多いため、苦土石灰などを土に加えることで、酸度を調整します。

プランター・鉢等で栽培する場合には、栽培する植物にあった土が販売されているので、それらを利用するのが簡単で良いそうです。栽培する量が多くない時は、便利ですね。

BackNext